建造物や付帯する設備の定期点検は、建築基準法や消防法などの法律で定められており、安全性を維持するために重要です。

特に特定建築物(病院、学校、劇場など)については、所有者や管理者が1年に1回以上、専門技術者による点検を行い、その結果を行政に報告する義務があります。また、消防設備や避難経路の点検も法律で義務化されており、建物利用者の安全確保が求められています。これには、建物本体だけでなく、電気設備や空調設備、給排水設備などの付帯設備も含まれます。

京葉住建では、こうした法的な点検義務に対応するための定期点検サービスを提供しています。専門スタッフが、建物や設備の点検を行い、適切な維持管理をサポートします。これにより、法令遵守だけでなく、利用者の安全性や快適さを保つことが可能となります。

特定建築物

 特定建築物とは「建築物の衛生的環境の確保に関する法律」(通称:ビル管法)の定める建築物で、興業場・百貨店・集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場・店舗・事務所・学校・旅館・ホテルなどに用い、そのために使用する延床面積が3000㎡以上の建物 (学校教育法に規定される学校は8000㎡以上)を特定建築物といいます。
 また、これらの建築物に対しては同法施行規則により下記の項目の実施が必要になります。

施行規則第1条 特定建築物の届出
施行規則第3条の2 室内空気環境測定を2ヶ月に1回
施行規則第4条の7 遊離残留塩素測定を1週間に1回
施行規則第4条 水質検査のうち15項目を6ヶ月に1回・50項目を1年に1回
施行規則第4条の3 排水設備の清掃を6ヶ月に1回
施行規則第4条の4 ねずみ昆虫等の防除を6ヶ月に1回
施行規則第4条の5 清掃(日常行う清掃のほか)を6ヶ月に1回
法律 第六条 建築物環境衛生管理技術者の選任

防火対象物

 消防法施行令別表第一に掲げる防火対象物は用途・規模により消防機関への点検報告義務があります。なお、建物の床面積が1000㎡以上のものは消防設備士・消防設備点検資格者の点検が義務付けられています。

消防法第17条
消防法施行令第35・36条
消火設備(消火設備・警報設備・避難設備)を6ヶ月に1度の外観点検・機能点検と1年に1度の総合点検を受けなければなりません。

※建物の種類で消防署への報告期間が異なります。

給水設備

 受水槽の有効貯水容量が10立米以上のものを簡易専用水道といい、年1回の清掃が義務付けられており、簡易専用水道検査を受けなければなりません。
 また、該当する建物が特定建築物の場合、ビル管法の適応により年2回の水質検査が必要となります。

水道法施行規則第55条1項 貯水槽設備の清掃を年1回
水道法施行規則第55条1項 簡易水道検査を年1回

排水設備

 下水道設備がない場所に設置してある浄化槽や、地下階などを有するビルなどで設置される排水槽は点検が必要です。

ビル管法施行規則第4条の3排水槽の清掃を6ヶ月に1回(特定建築物のみ対象)
浄化槽法第8~11条浄化槽の清掃・定期検査を1年に一度行わなければならない。
浄化槽法施行規則第6条浄化槽の点検を行わなければならない。(周期は設備・処理人数で変わります)

昇降機

 昇降機(エレベーター)・エスカレータ・電動ダムウェーターが設置されている建築物が対象となります。

建築基準法第12条昇降機の定期検査を年1回実施しなければなりません。

空気調和設備

ボイラ/圧力容器

ボイラおよび圧力容器安全規則第38条ビル内にあるボイラ・圧力容器はほとんどが定期点検が必要になります。

冷凍機

高圧ガス保安法27条 冷凍保安責任者の選任
1年に1回の自主保安検査

電気設備

 当該建築物の使用可能電圧により電気主任技術者を選任し、保安規程を作成後、保安規程に準じた点検を行わなければなりません。

電気事業法第42・43条電気主任技術者の選任・保安規程の作成

※自家用電気工作物・・受変電設備・配電設備・電線路・接地線・負荷設備・自家用発電設備・避雷器などが対象