建築物における衛生的環境の確保に関する法律

第4条(建築物環境衛生管理基準)

  1. 特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものは、政令で定める基準(以下「建築物環境衛生管理基準」という。)に従って当該特定建築物の維持管理をしなければならない。
  2. 建築物環境衛生管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ、こん虫等の防除その他環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置について定めるものとする。
  3. 特定建築物以外の建築物で多数の者が使用し、又は利用し、又は利用する者の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものは、建築物環境衛生管理基準に従って当該特定建築物の維持管理をするように努めなければならない。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 第一条(特定建築物についての届出)

第一条(特定建築物についての届出)

 建築物における衛生的環境の確保に関する法律 (昭和四十五年法律第二十号。以下「法」という。)第五条第一項 (同条第二項 において準用する場合を含む。)の規定による届出は、次の各号に掲げる事項を記載した届書を当該特定建築物(法第二条第一項 に規定する特定建築物をいう。以下同じ。)の所在場所を管轄する都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下この章において同じ。)に提出して行うものとする。

  1. 特定建築物の名称
  2. 特定建築物の所在場所
  3. 特定建築物の用途

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 第三条の二(空気環境の測定方法)

第三条の二(空気環境の測定方法)

三、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に定める事項について、二月以内ごとに一回、定期に、測定すること。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令 第二条(建築物環境衛生管理基準)

第2条(建築物環境衛生管理基準)

法第4条第1項の政令で定める基準は、次の通りとする。

  1. 空気環境の調整は、次に掲げるところによること。

イ、中央管理方式の空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給(排出を含む。以下この号において同じ。)をすることができる設備をいう。)を設けている場合は、居室における次の表の各号の上欄に掲げる基準に適合するように空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給をすること。

  1. 浮遊粉じんの量 空気1立方メートルにつき0.15ミリグラム以下
  2. 一酸化炭素の含有率 100万分の10(厚生省令で定める特別の事情がある建築物にあつては、厚生省令で定める数値以下)
  3. 炭酸ガスの含有率 100万分の1000以下
  4. 温度 17度以上28度以下
  5. 居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと。
  6. 相対湿度 40パーセント以上70パーセント以下
  7. 気流 0.5メートル毎秒以下
  8. ホルムアルデヒドの量 二・四―ジニトロフェニルヒドラジン捕集―高速液体クロマトグラフ法により測定する機器、四―アミノ―三―ヒドラジノ―五―メルカプト―一・二・四―トリアゾール法により測定する機器又は厚生労働大臣が別に指定する測定器

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 第​四条(飲料水に関する衛生上必要な措置等)

第​四条(飲料水に関する衛生上必要な措置等)

七、遊離残留塩素の検査及び貯水槽の清掃を、それぞれ七日以内、一年以内ごとに一回、定期に、行うこと。

第四条(飲料水に関する衛生上必要な措置等)

令第二条第二号 イ(※下記1)に規定する水の供給は、次の各号の定めるところによる。

  1. 給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率を百万分の〇・一(結合残留塩素の場合は、百万分の〇・四)以上に保持するようにすること。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率は、百万分の〇・二(結合残留塩素の場合は、百万分の一・五)以上とすること。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令

第2条

  1. 給水及び排水の管理は、次に掲げるところによること。

イ、水道法(昭和32年法律第177号)第3条第9項に規定する給水装置以外に給水に関する設備を設けて飲料水を供給する場合は、同法第4条の規定による水質基準に適合する水を供給すること。

(解説)残留塩素の測定を週1回行い、残留塩素濃度を0.1(0.2の方が安心)以上に保つこと。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 第四条(飲料水に関する衛生上必要な措置等)

第四条(飲料水に関する衛生上必要な措置等)

  1. 水道法第三条第二項 に規定する水道事業の用に供する水道又は同条第六項 に規定する専用水道から供給を受ける水のみを水源として前条に規定する目的のための水(以下「飲料水」という。)を供給する場合は、当該飲料水の水質検査を次に掲げるところにより行うこと。

イ、水質基準に関する省令 (平成十五年厚生労働省令第百一号。以下「水質基準省令」という。)の表中一の項、二の項、六の項、十の項、三十一の項、三十三の項、三十四の項、三十七の項、三十九の項及び四十五の項から五十の項までの項の上欄に掲げる事項について、六月以内ごとに一回、定期に、行うこと。

ロ、水質基準省令 の表中九の項、二十一の項から三十の項までの項の上欄に掲げる事項について、毎年、測定期間中に一回、行うこと。

(解説)水道法における水質検査対象項目のうち15項目を6ヶ月に1回・全項目46項目を年1回行わなければならない。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令

第2条

  1. 給水及び排水の管理は、次に掲げるところによること。

ロ、排水に関する設備の正常な機能は阻害されることにより汚水の漏出等が生じないように、当該設備の補修及び清掃を行うこと。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 第四条の三(排水に関する設備の掃除等)

第四条の三(排水に関する設備の掃除等)

 特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該建築物の維持管理について権原を有するもの(次項において「特定建築物維持管理権原者」という。)は、排水に関する設備の掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、行わなければならない。

  1. 特定建築物維持管理権原者は、厚生労働大臣が別に定める技術上の基準に従い、排水に関する設備の補修、掃除その他当該設備の維持管理に努めなければならない。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令

第2条

  1. 清掃及びねずみ、こん虫等の防除は、次に掲げるところにより統一的かつ計画的に行うこと。

イ適切な方法により清掃を行い、衛生的な方法により汚物を処理すること。

ロねずみ、こん虫等については、適切な方法により発生及び侵入の防止並びに駆除を行うこと。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 第四条の四(防除を行う動物)

第四条の四(防除を行う動物)

 令第二条第三号 の厚生労働省令で定める動物は、ねずみ、昆虫その他の人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物(以下「ねずみ等」という。)とする。

第四条の五(清掃等及びねずみ等の防除)

令第二条第三号 イに規定する掃除は、日常行うもののほか、大掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うものとする。

  1. 令第二条第三号 ロに規定するねずみ等の発生及び侵入の防止並びに駆除は、次の各号の定めるところによる。

一、ねずみ等の発生場所、生息場所及び侵入経路並びにねずみ等による被害の状況について、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき、ねずみ等の発生を防止するため必要な措置を講ずること。

二、ねずみ等の防除のため殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合は、薬事法 (昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条 又は第十九条の二 の規定による承認を受けた医薬品又は医薬部外品を用いること。

  1. 令第二条第三号 イ及びロの規定により掃除、廃棄物の処理、ねずみ等の発生及び侵入の防止並びに駆除を行う場合は、厚生労働大臣が別に定める技術上の基準に従い、掃除及びねずみ等の防除並びに掃除用機器等及び廃棄物処理設備の維持管理に努めなければならない。

(解説)特定建築物の定期清掃を6ヶ月に1回・害虫駆除を6ヶ月に1回行わなければならない。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律 第六条(建築物環境衛生管理技術者の選任)

第六条(建築物環境衛生管理技術者の選任)

 特定建築物所有者等は、当該特定建築物の維持管理が環境衛生上適正に行なわれるように監督をさせるため、厚生労働省令の定めるところにより、建築物環境衛生管理技術者免状を有する者のうちから建築物環境衛生管理技術者を選任しなければならない。

  1. 建築物環境衛生管理技術者は、当該特定建築物の維持管理が建築物環境衛生管理基準に従つて行なわれるようにするため必要があると認めるときは、当該特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものに対し、意見を述べることができる。この場合においては、当該権原を有する者は、その意見を尊重しなければならない。